病弱書店

少し体が弱いです。本を紹介するブログです

久松留守です。

ちょくちょく連絡を取り合っていた友人としばらく 連絡していなかったところ、

昨日彼女からラインが来たのです。

 

「元気~?」と。

「元気!」と答えました。

 

でも今日になって、さて調子もよくなってきたし、

ブログを書こうかなと思いまして。

はて。と立ち止まりました。

 

私昨日も今日も風邪で寝込んでいたのです。

でも友達には「元気」と答える。

「心配させないように」とか思ったわけではないのです。

 

これきっと風邪だから。 風邪ってものは不思議ですよね。

一体なんなのかよくわかっていない。

肺炎になったりしなければ、放っておいても必ず治る。

よく「風邪の特効薬が見つかったらノーベル賞が取れる」と

いう 言葉を聞きます。

きっとそれほどにピンポイントで矢を射ることができないもの なのでしょう。

 

実際ちょっとした不調でも心配してすぐ病院に行く私も、

風邪では病院に行かないし、総合感冒薬はのみません。

多面的に症状の出るよくわからないものを治す薬をのむことには

すごく抵抗があります。

説明されてもわからないことには手を出さないと決めているので。

こんな面倒なことを考える人間ですが、

理解不能の迷信や 民俗学的習俗は大好きです!!

なんで鰯飾っちゃうの?とか。

それから古い習俗のように見えて実はダジャレだったりするもの。

 

例えばこれ。

 

「久松留守」

 

江戸時代、インフルエンザの流行で次々と人が死んでいき

恐れた人々が玄関や軒下に貼りつけたそうです。

 

で、なぜ久松留守がインフルエンザの予防になるかというと、、、

その頃、沢山の人の命を奪うインフルエンザには、

人の名前が付けられていました。

その時流行っていたのはお染風邪。

お染風邪の他にも、お駒風邪とかお七風邪とか。

昔台風にカスリン(キャサリン)とかキティとか女性の名前が 付けられていたことを連想しました。

 

お染風邪がなぜ「お染」と名づけられたのかはわかりません。

その時流行っていた歌舞伎の登場人物の名前だったからというのが理由の一つ。

それは歌舞伎や浄瑠璃で今も上演される『伊賀越道中双六』の「野崎村の段」に出て来る恋人同士、お染と久松です。

 

これで答えがわかりました。

お染がやってくるのを恐れて、

「あなたの好きな久松さんはいませんから来ないでください」

という気持ちを込めて張ったのが「久松留守」なのです。

ダジャレもいいとこ。

でもこんなユーモアがあった江戸には惹かれます。

 

それにしても、なんで人の命を奪い猛威を振るうものに女性の名前をつけるのか!

男性の名前でもいいじゃないかいな!

いやでも待てよ。

ヒロシ台風とかやすあき風邪とかそんなに怖そうじゃないのはなぜなのか?

 

 

深川江戸資料館

https://www.kcf.or.jp/fukagawa/

 

長屋や舟屋が再現されていて、昼夜で照明が変わったり、 楽しい趣向が凝らされています。 一軒の長屋に「久松留守」の張り紙がありました。